ALUMIUM SERIES 05 "DUO"
manufactured by ALUNA
2021
product design
写真 阿部良寛
額に入った作品をみる時にいつも気になっていることがある。一つは横方向に斜めになっているもの。これは比較的よく起きていることだけれど、人間の目が水平についているからか、少しでも斜めになっていると途端にわかってしまう。そしてこれよりはあまり目立たないのだけれど、額が壁に対して垂直方向に倒れてきてしまって、「おじぎ」してしまっているものがある。これは吊り具が額の裏にあって、重心が前にあるから起きてしまうのだが、額自体の構造からの問題なので、なかなか解消のしようがなく難しい。壁に飾るたびに、少し傾く。「あ、そうか(斜めになっちゃうよね)」とは思いつつも、直前までのウキウキした気持ちがすこし萎える瞬間だ。
「DUO」は、この「おじぎをなくす」、というとてもシンプルで地味な目的のもと開発された額縁である。シンプルで地味な目的はしかし解決するには結構な労力を要する。製造の方法を見直し、工場にその製造方法を説明し、納得してもらい、パーツの開発、関連企業への協力などの過程を経て、ようやく製造へとつなげた。
こうして出来上がった額縁は凛とした雰囲気をまとうことができた。壁に、ピクチャーレールに、垂直に綺麗につられている。吊り具の位置を変えた結果として、裏もおもてもない額縁ができたので、両面つかえるという意味から「DUO」という名前をつけた。
「DUO」は、この「おじぎをなくす」、というとてもシンプルで地味な目的のもと開発された額縁である。シンプルで地味な目的はしかし解決するには結構な労力を要する。製造の方法を見直し、工場にその製造方法を説明し、納得してもらい、パーツの開発、関連企業への協力などの過程を経て、ようやく製造へとつなげた。
こうして出来上がった額縁は凛とした雰囲気をまとうことができた。壁に、ピクチャーレールに、垂直に綺麗につられている。吊り具の位置を変えた結果として、裏もおもてもない額縁ができたので、両面つかえるという意味から「DUO」という名前をつけた。
photo Ryoukan ABE